ポタジェを作りたいけど資材が高いんだよね
あぜ板で低コストにできるよ!見た目もそんなにチープじゃない。
あぜ板ポタジェとは
ポタジェ(Potager)とは、フランス語で「家庭菜園」の意味。
日本式の家庭菜園と異なり、花やハーブ、野菜、果樹などを混植させたオサレなお庭になります。
ここ数年すごく話題で、ホームセンターに行くと売り場に小さいポタジェが作られていたり!
ポタジェの良いところはなんといってもオサレなところ。
日本式の家庭菜園もほっこりするのですが、見た目的には「畑感」「田舎のおじいちゃん・おばあちゃん感」が強くて、お家の外観に合わない…ということもあると思います。
そして、ポタジェと切っても切り離せないのが「レイズドベッド」。レイズドベッドとは「地面より高い花壇」「上底の花壇」のこと。
平たく言えば、ちょっと囲いの高い花壇のことです。
レイズドベッドでなくてもポタジェは作れますが、最近は
ポタジェ=レイズドベッドという感じです。
レイズドベッドのメリットはプランターと地植えのいいとこどり!
あとで詳しくご紹介します!
そして、この「レイズドベッド」をあぜ板で作ってしまおう!というのが
あぜ板ポタジェです。
あぜ板をレイズドベッドに使うメリット
順番に詳しく力説します!
コストをレンガの場合と比較!
レイズドベッドは、レンガや木材で作るのが一般的。
わたしも最初はレンガを検討していました。(木材は腐るし、シロアリの棲み家になるので却下)
この価格差ならあぜ板に軍配です。レンガで作るならモルタルなども必要になりますしね。
あぜ板の寿命は?
あぜ板の寿命が気になったので調べました。
あぜ板はポリエチレンでできています。
農業資材を扱うサイトで調べたところ、10~15年ほどは大丈夫な素材とのこと。
一方の木材も、レッドシダーという特殊な杉なら10~15年持つそうです。
普通の杉なら3年程度で腐ってしまうそう。木材と同程度かそれ以上は持つということですね!
耐久性のみで考えるとレンガに軍配ですが、10~15年持てば上等!と考えたのであぜ板を選びます。
レンガで作る場合も、崩れてきたらモルタルを入れて直すといったメンテナンスは必要になります。
作業が簡単、女性一人でも扱える
これが他の素材にはない一番のメリットかも。
あぜ板ポタジェは、つなげて→支柱で支える、という2ステップで形になります。
一方、レンガは積み上げてモルタルを塗って…という作業が必要ですし、144個も運ぶのも大変。
木材もそれ自体が重いです。釘を打ったり手間もかかります。
作る楽しみはありそうですが、大変です。
見た目も想像ほど悪くない
「あぜ板」という言葉から、
- アルミ製で尖ってて危なそう
- 色が灰色でダサい
というイメージがありましたが、実物を見たら案外良さそうでした。
素材はポリエチレンで、厚みが4mmあり鋭利ではありませんでした。
また、色もダークブラウン?黒?って感じで意外に馴染みがいいです。
レイズドベッドのメリット
ここからはレイズドベッドのメリットを解説!
あぜ板ポタジェの作り方が知りたい方はこちらにジャンプしてください。
水はけが良い→植物の育ちが良くなる
レイズドベッドは水はけがよく、植物の育ちが良くなります!
高畝(たかうね)ってご存知でしょうか。
水はけを好む植物を植えるとき、根本を地面より少し高くすることで少しでも水はけを良くしよう…という農業のアイデアですね。
畑でうねを作るとき、水はけを好む作物の場合は高めに作ることがあります。
レイズドベッドは実質的に高うねと同じなので、水はけがいいです。
水はけを好まない植物ってほとんどないので(水生植物くらいかな?)、ほとんどの植物はレイズドベッドにすると育ちが良くなりますよ!
大きさ自由自在
ここはプランターと違うところで、レイズドベッドなら大きさが自由自在。
プランターは少しでも大きい方が、
- 植物が根っこを伸ばせるスペースが大きくなる
- 土の量が多くなるため、水持ちが良くなる
というメリットがあります。
しかし、売っているプランターの大きさには限度があります。
そこで、レイズドベッドを自作するなら、大きさは自由自在!置き場所に合わせて自由な大きさで作ることができますよ。
2024年夏、40°C近い猛暑&晴天が続き、水やりが追いつかず鉢植えの植物をいくつか枯らしてしまいました…。レイズドベッドなら土の量が多いので水持ちがいいですよ。
除草作業がしやすくなる
レイズドベッドで植栽部分と通路を分けることで、除草作業がしやすくなります。
通路部分には
- あらかじめ防草シートを敷く
- 草刈機を使う
- 除草剤を使う(風でポタジェに飛ばないように注意)
など、いろんな除草方法を使うことができます。
草刈りの手間を最小にしたいなら、あらかじめ除草シートを敷いてしまうのがオススメ。最近は人工芝と除草シートが一体になったものもあり、見た目もgood!
しゃがまずに作業でき、膝や腰にやさしい
レイズドベッドならしゃがまずに草抜き、収穫ができて膝腰に優しいですよ。
作るのは労力かかるけどその後がローメンテなのがいいね!
庭に高低差ができ、庭のレイアウトに変化をつけられる
レイズドベッドで植栽に高さを出すと、庭のレイアウトにメリハリがつきます!
庭づくりについては全くの初心者なのですが、昔、水草水槽をたしなんでいたことがありまして…ものの本には
- 前景→背の低い水草
- 中景→中くらいの高さの水草
- 後景→背の高い水草
と、高さを変えてやることで、水槽に奥行きが出て良い!と書いてあります。
これを庭づくりにも応用できないかな〜と。
植物自体の背丈で変化をつけることもできますが、地面そのものを上げるレイズドベッドを組み合わせたら自由度が高まりそうです。
というのも、我が家は「高木禁止」。手入れが大変だから、親の終活の一環で樹木を全伐採。新しく植えるものは樹高3mを超えない植物にする、ということが家族会議で決まりました。
高木なしで少しでもメリハリ・奥行きある庭を!と考えるとレイズドベッドが良さそうです。
あぜ板は高さ25cm・30cm・40cm・50cm・60cmと5種類のものが売られています。
今回は高さ40cmと高めのを作りますが、次は25cmで低めのを作ろうかな。
あぜ板ポタジェの作り方
はじめに
今回はあぜ板6枚でちょっと大きめのポタジェを作りました。
縦1m弱、横3m程度の大きさです。今回は高さ40cmのあぜ板を使用しています。
実際にわたしが作っているあぜ板ポタジェの作り方をご紹介します!
どこに設置するか決める
まずは、庭のどこに設置するかを計画します。
一度設置して土を入れてしまうと動かすのは大変なので、よく考えて設置場所を決めます。わたしは一緒に庭いじりをしている母と、チラシの裏に図を書いて場所を考えました。
野菜を育てるなら日当たりのいい場所がおすすめです。
設置する場所を整える
設置する場所を整地します。
必要な作業は、
- 雑草を抜く
- 小石や木の根を取り除く
傾斜があればなるべくなくす
など。
樹木を伐採した後の場所だったので、小石と枝が無限に出てきて大変でした。
あぜ板を埋める溝を掘れれば良いので、表面数センチ程度の整地をすればOKです!
あぜ板を全部つなげて楕円形にする
先にあぜ板を全部繋げておきます。
あぜ板にジョイント部分があるので、そこに差し込むだけです。
仮置きし、あぜ板の下に溝を作る
あぜ板の下部を埋めます。
設置場所にあぜ板を仮置きし、あぜ板の下に溝を掘ります。
あぜシート支えで固定するので、溝は数センチで構いません。
溝を掘ってあぜ板を少し埋めます。
あぜシート支えで側面を支える
あぜシート支えでたわみやすい側面を支えます。
高さ40cmのあぜ板でも、あぜシート支えは10センチほど余裕があります。あぜ板を挟んだら、しっかりと地面に差し込みましょう。
今回は側面に3本ずつ、合わせて6本使用しました。土を入れた後たわむようなら、適宜追加してください。
あぜシート支えはこちら↓
内側の地面に不織布を敷く
あぜ板で囲った中の地面に不織布を敷きます。端っこはあぜ板の下にねじ込みます。外側にはみ出たら土を乗せて隠します。
内側に不繊布を敷くと育ちがいいです。水やりで、栄養分が下がるからかな?
空気の流通を作るのと、栄養分のたまりになると考え芽います。(筆者注:考えています。)
木枠でも、波板フェンス、ペットボトルなど、しましたが育ち方がぜんぜん違うんです。ソファの裏側に貼ってるようなのを使っています。農業でも、ありますよね。赤色が虫を寄せ付けにくいもあるんです。出典:https://www.youtube.com/watch?v=iAyLe39C7fQ&t=1s
というYoutubeのコメントを見つけたので、不織布を敷くことにしました。
不織布を敷くことにより、
- 空気の通りをよくする
- 栄養分を下に逃がさないようにできる
という利点があるようです。
不織布なしでもあぜ板レイズドベッドを作ることができますが、不織布は百均やホームセンターで安価に手に入りますので、ぜひ使ってみてください。
土を入れる
いよいよ土を入れます。
かなり大量の土が必要になるので、今回は畑から土を運搬することにしました。重労働なのでぼちぼちやります。
猫車(2才)の容量が約50Lなのですが、
作業してみた感じだと50L×12 = 600L程度の土が必要そうです。
25Lの培養土だと24袋必要なので、一袋500円の培養土なら12000円かかります。
土の調達がネックになりそうです。
レイズドベッドのポタジェに向く作物
レイズドベッドは水はけが良いのが特徴。
基本的に、植物は水はけが良い方がよく育つので、割となんでも植えることができます。
ここでは特にレイズドベッドのポタジェにおすすめの作物を紹介していきます!
きゅうり
まずはきゅうり。
わたしはきゅうり栽培が苦手です。
べと病、うどんこ病、害虫による食害…
病気に強いという接木苗も、べと病で枯らせてしまいました。高かったのに…
きゅうり栽培は水はけ命。
今年は3度目の正直で、種子から育てた苗をプランターで育て、うまくいっています。
来年はレイズドベッドで育てます。(現在製作中で今年は間に合わなかった)
レイズドベッドはプランター並みに水はけが良いので、きゅうり栽培は特におすすめです。
トマト
トマトも乾燥気味の土を好むので、水はけの良いレイズドベッドがおすすめ。
必要に応じて雨除けを設置することもできるようです。
今年は地植え&プランターで育てているのですが、
- 地植え→水はけが悪く、梅雨時期にヒヤヒヤ。雨量が多いと裂果してしまった
- プランター→水はけは良いが、根詰まりを起こしたのか下葉が黄色く枯れてきた
と一長一短です。
レイズドベッドのポタジェなら、
- 十分な土の量で植物がしっかり根を広げられる
- 地植えより水はけが良く、雨除けの設置も簡単
といいとこ取りができる、と考えています。
ハーブ
- ラベンダー
- ローズマリー
- タイム
- ディル
- パセリ
- フェンネル
- マロウ
など、ハーブには水はけの良い土壌を好むものがたくさん。
中でも、ラベンダーは多湿に弱いので、梅雨越しが大変だったりします。
わたしは、過去にイングリッシュラベンダーを地植えにして、梅雨の時期に腐らせてしまったことも…
今年は鉢で管理中です。
野菜を中心に植えて、周りにハーブを植えたらおしゃんなポタジェになりそう。
おしゃれなだけでなく、野菜とハーブは一緒に植えると、互いの成長が良くなる相乗効果も!
- きゅうり×パクチー
- トマト×バジル
- なす×パセリ
などが代表的な組み合わせ。
わたしはきゅうり×パクチーとトマト×バジルを実践中です。
パクチーはその独特の香りで害虫を寄せ付けにくいとされ、どんな野菜ともうまくいくコンパニオンプランツ。
きゅうりとは根っこの生え方が異なり、根っこ同士邪魔をすることがないため特に相性がいいです。
バジルは、トマトの株元に植えることにより
- トマトがより甘くなる
- 余分な水分をバジルが吸い取り、トマトに理想的な乾燥気味の土壌になる
- トマトがバジルの葉焼けを防ぐ
といった効果があります。美味しいトマトが取れてるので効果はあるかな?
バジルはトマトの株元に植えたものの方が明らかに色がよく、香りも強いです。
コンパニオンプランツを植えるなら、プランターより広いポタジェの方がやりやすそうです。
ベリー類
- ブルーベリー
- ラズベリー
- ブラックベリー
など、ベリー類もわりと水はけを好みます。
我が家では今年、ブラックベリーを初めて栽培し始めました。つる性なのでポタジェの良いアクセントになりそうです。花も実もかわいい。
現在は鉢植えで管理していますが、毎日の水やりが大変なのでポタジェに植える予定。
【注意】有毒植物は絶対に混植しないこと!
ポタジェの特徴は混植ですが、有毒植物は絶対に一緒に植えないでください。
一緒に植えてはいけない有毒植物の一部を紹介します。
スイセン(有毒)とニラ、イヌサフラン(有毒)と行者ニンニクの誤食は毎年のように報告されており、死者も出ています。
厚生労働省、農林水産省からも注意喚起されているので気をつけてください。
まとめ
あぜ板ポタジェで低コストに水はけの良い庭づくりを。
レイズドベッド作成の中では圧倒的に簡単なので、ぜひお試しを。
筆者はあぜ板の組み立てが終わり、現在は土の運搬作業中です。
出来上がったらまた記事を書きますね。
2024年10月追記
今年の夏はほんと暑くて、作業がほとんど進みませんでした。というわけで土の運搬が進まず、まだポタジェは完成していません。
土を買ったらすぐに完成してたのに…と少し思いましたが、これから気候も良くなるのでぼちぼち畑から運ぼうかな、と思っています。
計画から時間が経ってしまいちょっとやる気が下がっております^^;
鉄は熱いうちに打て!だね。